坪内逍遥(つぼうち・しょうよう)、本名は坪内雄蔵。
○評論、小説、劇作、翻訳と、多方面で活躍をみせた。
→まめちしき:宝塚をつくったのはこの人だ!
○文芸理論書。
○
明治18年~19年にかけて発表される。
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■内容■
○文学の功利性の否定――「文学は現実には役に立たない。実際的効用でなく、芸術的価値だけでよい」という主張。
○写実(主義)――realismの訳語。
小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ。人情とはいかなる者をいふや。曰く人情とは人間の情欲(ぱっしょん)にて所謂百八煩悩是なり。それ人間は情欲の動物なれば、いかなる賢人善者なりとていまだ情欲を有(も)たぬは稀なり。 『
小説神髄』「小説の主眼」より
滝沢馬琴流の「勧善懲悪」を否定。――道徳にこだわらず、ありのままに模写することを提唱。
○「世態風俗」の描写にかたむき、人情を描ききることはできなかった。
→
近代文学の確立には、
二葉亭四迷の登場を待たなければならなかった。