倉井の策略!?

なんか ちょっと おもいついたことなどを かくのです。

【書評】西部邁『知性の構造』(HARUKI BOOKS)

20世紀末、知識人が存在感を失っていく「多数派の専制」の絶望において精神の平衡を維持するためのロジックを提示する書。「真理への渇望」の構造化と、その方法としての「言葉」。細分化=専門分化の陥穽を克服するために、西部は言語論的な構えを重視する。また、知識は「他者の認識や行為に影響を与えずにはおかない」がゆえに「政治的たらざるをえない」。言葉の根拠における「伝統的なるもの」は、(マスメディアを席巻する)「多弁症的失語症の病理」から逃れるための処方箋にほかならない。それは、21世紀のいまなおアクチュアルである。(読了日不明、2004年)