倉井の策略!?

なんか ちょっと おもいついたことなどを かくのです。

音楽的な文学

 今日は家から一歩も出ずに、ゆっくり読書をしたのです♪ 大学のレポートでとりあげるため、デュラスの『モデラート・カンタービレ』を読まねばなりません。
 これはおそらくデュラス作品全体の特徴なのでしょうが、文学というよりは多分に音楽的な構成が印象的です。ピアノの音・騒然たる人々の声・ラジオの音声……それらが渾然として混ざり合い、読中・読後になんともいえない余韻が残ります。
 この感覚ははじめてではない。そう、……
 中上健次の『岬』を読んだときも、おんなじような印象を抱いたものです。中上さんは村上龍さんとの対談(『存在の耐えがたきサルサ文藝春秋)でも音楽の話ばかりしていました(笑)。『岬』で言えば、一行目の地虫の鳴き声からはじまって、まるでミキサーで編集したかのようなF.O.(フェードアウト)やらC.F.(クロスフェード)やらの音声描写があって、「これ映画化するなら(イメージ定まってるし)、音作り簡単そうやなー」とか思ってしまいました。……余談ですが、『岬』の主人公が部屋に貼ってるグラビアのポスター、一体だれのポスターなんでしょう??
 ともかく文学とか映画とか音楽だとか、あまりに差異がはっきりしているために普段は「別物」とみなしてしまう芸術ジャンルではありますが、案外そうした枠を取っ払った所に、新生面はおもむろに口を開けているものなのかもしれません。
 さあ、『モデラート・カンタービレ』、いま河出文庫の49ページ目にさしかかっているのですが、僕はこのアンヌ・デバレードはこの上なくいやらしいォンナ♀なのではないかという予感にさいなまれております。近年にわかに、ォンナ♀は意外にいやらしい生き物だと気づいてしまったkamuyaでございましたm(_ _)m。